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:::mido :::

考える。心の中をぶつぶつと整理。思ったことや感じたことを、撮りだめ、書き留めていく場所、伝える場所。

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古里・新古里原発① 

【2014年Eaphet韓国スタディーツアー】

コリアツアーレポートも、なんとか終盤へ近づいてきた。毎回毎回、きちんと言葉や形にして残そうと思う、と思いながら出来ないままだったり、途中でストップしたままだったりなことが多かったのだけど、今回はなんとか最後の最後のまとめとこれからのことまで、書き終わりたい。

下の写真、右から古里原発1,2,3,4号基だ。左端に送電塔がみえるだろうか。この送電塔は、蜜陽を通り、大邱の変電所まで続いている。政府と韓電の最終的目標は、最終的にソウルまで電気を送れる様にすることだ。蜜陽のハルモニハラボジたちが建設反対と闘っている巨大送電塔は、ここからの電気を送る為の送電塔である。この写真には、写っていないが、古里原発付近の山は、送電塔と送電線だらけである。台湾へ帰ってきてから、送電塔がやたらと気になる。今まで、自分が気付いていなかっただけで、日本にも台湾にも送電塔が沢山建っている。見る度に、蜜陽のハルモニハラボジを思い出し、自分自身の生活の在り方を考えてしまう。

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古里原発と新古里原発は、韓国釜山市にある、原子力発電所だ。1978年に運転を開始した、韓国初の商用原子力発電所でとても古い原子力発電所だ。釜山市内からは、一時間以上車でかかるが、釜山市中心部からは、 キロ程の距離しかなはれていない。また、古里原発から、約11キロ程の場所には、マンションやショッピングセンター、アウトレットショッピングモールが建ち並ぶニュータウンがあり、釜山の人々のベットタウンのような街になっている。釜山の人々は、古里原発が釜山市内にあり、自分たちの身近に原子力発電所があるということをあまり意識していないようだ。また、驚くことに、避難計画が立てられていない。釜山で反核運動を行う、環境団体のスヒさんは、「釜山の公務員たちは、避難計画を立てることはお金がかかりすぎるし、不可能だという。」と語る。では、万が一福島のような事故が起きたらどうするのだろうか。この釜山市の対応は、国際的な原子力ムラIAEAからも、指摘される程だ。また、原発から1、2km圏内の避難計画も、あることにはあるが無茶苦茶である。古里原発から一キロ程離れた場所に、小学校がある。この小学校は、何かあった時の避難場所、集合場所に指定されている。まず、そんな近くの場所に避難し集合するのは危険だが、それより更に驚くべきことは、その小学校よりももう少し、原発から離れた場所にある村の人々もその小学校へ避難しなければいけないそうだ。なぜ、原発になにかあって、避難しなければならないときに、わざわざ危ない方へ近づかなければいけないのだろうか。この計画については、やはり村の人々や様々な市民団体から、指摘を受けているそうだが、韓電も釜山市も具体的な対応を行っていないそうだ。避難計画があればいいというものではないが、原発があり、常に危険と隣り合わせな以上、最低限避難計画はきちんと立てられるべきだ。しかし、古里原発だけでなく、日本や台湾の避難計画も、無茶苦茶なのが現状だ。きちんとした避難計画がされないままだが、原発は稼働され続けていく。なにかあったときのことなんてお構いなしのようだ。人のいのちなんだと思っているのだろうか。日本、韓国、台湾、どこの国も、お金や経済の為に、人々の暮らしやいのちが犠牲或は軽視されていっている。

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村の人々集団で移住したいということを求める村の人々の垂れ幕。

福島の事故のあと、韓国にも様々な面で影響があったそうだ。例えば、原子力発電所のある場所はイメージが悪くなるので、原子力発電所の名前を地名ではなく、他の名前を付けるなどという事が行われた。例えば、クンサン市という場所にある原発は、ハンビッ原発という名前である。これを日本語にすると、一つのひかり原子力発電所という名前だ。原発があるということは、そこに危険があるということだ。名前を変えたからといって、危険なのもがそうでなくなる訳はない。なんなんだ?どこの国も、言葉の意味や解釈を変えることが流行っているのだろうか。言葉の意味や解釈を変えれば解決されたとでも思っているのだろうか。ちなみに、古里原発と新古里原発も、イメージのからくりがある。古里原発と新古里原発は、本当にとなり同士、同じ敷地内といってもおかしくない距離にある原発だ。古里原発には、1号基から4号基までの原子炉がある。もっと、増やしたかったのだが、古里5号基、6号基、、、、、と増やしていくと、なんだかとても原子炉が多いことがすぐに分かってしまってイメージ的にもよくない。だったら、新古里原発1号基、、、という風にしようということになったそうだ。新古里原発も古里原発と同じく、4基の原子炉がある。つまり、古里、新古里あわせて8基の原子炉があり、そのうち二基は建設中である。また、現在、韓電は、5号基6号基を建設計画を着々と進めている。

そもそも、どうして、ここにばかりこんなにもの原発が集中しているのだろうか。他の地域では、反対運動が多く計画はなくなってしまったが、ここの村は、言論の自由がない時代に建設がされ、既に原発が建設されていたので、大きな反対運動も起こることはなく、最終的にここに建てていくのが一番簡単で楽だったからだろうとスヒさんは話してくれた。なんだか、少し台湾の原発の建設の歴史と似ている様に思う。村の人々の中には、反核運動をする人々を快く思っていない人も多い。以前、スヒさんが村で、今回と同じ様にどこかから来た人々を、案内をしながら現状を話していたら、村の人にとても強くあたられたそうだ。また、新しく建設が予定される原子炉の説明会かなにかの際に、蜜陽からハルモニハラボジたちがバスを貸し切って、傍聴に参加しに来たが、韓電は村の人々に、蜜陽のハルモニハラボジたちを入れない様にと指示し、蜜陽のハルモニハラボジたちとこの村の人々は入り口で衝突、激しさのあまり気絶するハルモニハラボジも数名出るという大事になったそうだ。このとき、警察は、近くでその衝突を只眺めているだけだったとのこと、市民と市民の衝突を国も、韓電も望んでいることが丸見えである。

日本で、原発のある街、と聞くと、「補助金」や「安慰金」などという名前のついたお金で潤い、箱ものが多い町、人々の暮らしもある程度裕福だと想像する人も少なくないだろう。しかし、古里原発、新古里原発があるこの村は、原子力エネルギー科学館みたいな施設や、室内プール、ジムなどがある村の公共施設以外、村自体も、村の人々の暮らしも、なんだか裕福な雰囲気は一つも感じられなかった。韓国も原発誘致の自治体には、「補助金」などのお金が支払われる。だが、その支払われ方は日本とは少し異なるようだ。住人、個人個人には支払われず、村の公共事業などに使われることが多いそうだ。例えば、道路づくりなどがその代表的なものだそうだが、ここで気になったのは、それはそうとしても本当にそこにお金が使われているのかがなぞなのだ。古里原発、新古里原発付近の道は、お世辞にもそんなに豪華な道のつくりではなかったし、ニュータウンから原発までの道は一車線ずつしかない狭い道である。一体、どこでどのようにお金が使われているのだろうか…もう少し調べたり聞いたりしてみたいところだ。

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古里原発がすぐそばの場所に港がある。数名のおじさんたちが、釣をしていた。私たちがここから原発を眺めながら、スヒさんのお話を聞いている時に、釣をしていたおじさんが私たちに話しかけに来た。どうやら、美味しそうなタコが採れたから一緒に食べないか?というお誘いのようだ。おじさんの話しによると、釣をしていたら、いきなりタコが現れたそうだ。「がんばって採ったんだぞ!うまいぞ〜豚カルビもあるぞ!」ととても景気良くテンション高く話してくれた。おじさんたちは、この付近の出身ではなく、別の場所から出稼ぎにきていると言っていた。見ず知らずの私たちに、気前良くタコを食べようと誘ってくれたことはとても嬉しかったしありがたかった。しかし、私はやっぱりなんだか食べられなかった。原発はそこにあるだけで放射性物質が放出されているし、こんな近くに原発がある海で採れたものをなんだか食べるのが少し怖かったからだ。釣をしている人々はここだけではなかった。その後、新古里原発の方へ行ったのだが、そこでは原発をすぐ後ろにして、釣をしているおじさん達がいた。確かに、まだ大きな事故は起きていない。だが、原発はそこにあるだけで放射性物質が放出されているし、古里原発は何度も緊急停止やケーブルの不具合など小さな事故が相次いでいることが、ニュースから分かる。それに、原発をみると福島の原発の事故があたまに浮かび、怖くてこわくて仕方なくなる。そんな中で、私はやっぱりそこで採られた海鮮物を食べようとは思えなかった。

少し話しが逸れてしまうかもしれないが、少し福島のことを書きたい。福島の事故はまだ終わっていない。今現在も、現在進行中であり、自体はどんどん悪化していく一方だ。しかし、韓国でも台湾でも、そしてなにより日本で、「福島の原発事故は、もう終わったこと」のように扱われている様に感じる。そして、なんだか「人ごと」のように多くの人々は過ごしている様にも感じられる。どうすれば、現在進行形ということを伝えられるのか。どうすれば人ごとではなく自分ごととして考えてもらえるのだろうか…

 

なんだか、長くなってしまったので、つづきは②に書こうと思う。原発海外輸出とつながっているということ、韓国の反核運動のことなどをもう少し書きたい。